2019年12月コロナウイルスのアウトブレイクが宣言され、1年半もの時間が過ぎて行きました。その間にパンデミックとなり今やCOVID-19の影響で多くの困難に立ち向かっていない国はない状況です。
そんな中、我が家の家族は全員2回目のワクチン接種が終了し、さらに十分な免疫ができるまでの必要な期間1~2週間も経過したため久しぶりの家族旅行へ行ってきました。
今回の旅行では、90代の祖母も一緒のため車椅子&ウォーキングスティックも持参しまして、
感染予防グッズももちろんフル装備で出発です!
まずは箱根美術館へ
旅の始まりはまず、箱根美術館へ向かいます。やはり朝方の箱根は涼しく夏場でも屋外を楽しめますね。
昼の11時を過ぎてくると箱根とはいえ気温が上がってきますので屋外でお散歩なども長時間は辛くなってきます。
夏の時期は、涼しい時間帯に屋外を、暑くなる昼過ぎからは屋内の観光をおすすめします。
箱根美術館はどんなところ?
創立者である岡田茂吉さんが再整備したエリアで正式な名称が「神仙郷」です。
「神仙郷」の中に、箱根美術館や苔庭などがあります。
その中でも、特に人気なのは秋頃に赤々と燃えるような紅葉としっとりとした目に映える緑の苔の対比を楽しめる「庭園」です。
秋以外でも、こんな景色が!
今回は夏場の訪問のため、青紅葉と木漏れ日、苔の緑を楽しむことができました!
アクセス
住所:神奈川県箱根町強羅1300 電話番号:0460-82-2623
アクセスは、箱根登山ケーブルカーの「公園上駅」から徒歩すぐです。
公園上駅にはエスカレーターやスロープ・エレベーターなどバリアフリー設備はありませんのでご高齢の方同伴のご旅行の際はご注意を!
箱根登山ケーブルカー各駅のバリアフリー情報は箱根登山電車の公式WEBで確認可能です。
「路線図」→「○○駅」→スクロールして駅設備となりの「バリアフリー設備」
で確認しましょう。
車で来館される方は、無料の駐車場(約10台分)を9:00~17:00の間利用可能です。
開館時間
季節によって閉館時間が早まりますのでご注意を。
4月~11月 9:30~16:30
12月~3月 9:30~16:00
お庭も楽しめる茶室「真和亭」は10:00~15:30
閉館日
木曜日(祝祭日の場合は開館)
年末(12/25~31)、年始(1/4~8)
その他に展示の切り替えで一部閉室する場合があります。
拝観料
一般:900円
高大学生:400円(学生証提示)
中学生以下:無料
また、このほかに各種証明書の提示で65歳以上の方はシニア割引利用:700円、障害者割引利用:400円と拝観料がお得になります。
割引の併用はできませんが、
箱根フリーパスを利用の場合、一般は200円割引、高大学生は50円引きとさらにお得になります。
箱根フリーパスを利用していない方もご安心ください!HISクーポンが利用できます。割引に関しては同上です。
ハリボーのおすすめは、真和亭での抹茶・和菓子と拝観料がセットになっているセット券1300円です。
抹茶を飲みたい方の場合はセット券が一番お得になりますよ!
箱根美術館散策
朝の10時頃に箱根美術館に到着しました。
チケットを購入して入場するとすぐに休憩室があり、返却式のコインロッカーが設置されています。荷物が大きくてロッカーに入らない場合は美術館の方にお願いすると預かっていただけるので安心です。
休憩室をでるとすぐ階段が10段ほどあります。箱根美術館には無料の貸し出し車椅子もありますが階段も多くエレベーターはありません。ご高齢の方と訪問する場合は、ある程度歩く必要があることを心にとめておきましょう。
木陰で涼しいこともあり、ウォーキングスティックを使ってどんどんお庭を散策する祖母。連休中ですがほとんど他の拝観者はいらっしゃいませんでした。
石畳を進み、苔のおかげか少ししっとりとした空気を感じます。のんびりと歩くうちに茶室真和亭へ到着です。
ガラス越しにお庭が楽しめるような茶室になっています。
拝観料と抹茶のセット券で入館したのでお得に抹茶をいただけました。
入り口でセット券を購入した場合、「ラミネートされた引換券」をなくさないようにしましょう。
一番景色が良いのが窓際の1列目の席ですので、できればオープン時間の10:00に合わせて真和亭へ向かうことをおすすめします。
おすすめの最前列からの眺めがこちらです!
初夏の日差しが新緑の隙間を通り、それにより作り出される影が幻想的に様々な緑を描く、テーブルの反射でお庭がより神聖な雰囲気になっています。
さっそく、お店の方に引換券をお渡しし席で静かに待ちます。
この日のお菓子は「あじさい饅頭」、紫色の上品なお饅頭。薄茶とよく合います。美味しくいただきました。
お庭を見ながらいただくお茶、心穏やかなひとときを過ごせますよ。
また、真和亭で提供されるお抹茶は、農薬や化学肥料を使用しない農法によって生産されているということです。
すごくおすすめの場所ですので、是非立ち寄ってみてください。15:30でクローズしますのでご注意を。
一服し終わり、お庭を拝見しながら展示室のある本館へと向かいます。
お庭には萩や、百合など様々なお花を楽しむことができます。
お庭から見えるのは、大涌谷でしょうか?
広いお庭を眺めながら、本館に向かいましょう。こちらの展示室には縄文時代の土器や鎌倉・室町時代の壺や甕・焼き物が並んでいます。
たくさんの作品のなかで特に気になったものをご紹介します。
日本の伝統的な伊万里焼に、外国人からの訪問者と黒船が描かれていて、激動の歴史を感じる一点です。
あまり焼き物には詳しくないのですが、鮮やかな作品が多いので楽しめました。
大きな備前焼です。
以前、お茶の水に「ビストロ備前」というフランス料理のお店がありました。コスト面でも気軽に立ち寄ることができ、駅からのアクセスもよし。
こじんまりとしたお店ながら、美味しいフレンチと備前焼への愛を感じるこだわりのお店でした。
残念ながら、2019年7/31に閉店されましたが、備前焼を見るたびにあのお料理の数々を思い出すことができます。
釉薬を一切使わない、絵付けもしないシンプルながら1点1点が唯一無二の作品。大小様々な備前焼がずらりと並ぶと圧巻です。
そしてこちら、皆さんどこかで見たことがあるのではないでしょうか?
学生のころ教科書では見たことがありますが、生で埴輪を見るのは初めてでした。
古墳時代の後期の人物埴輪で群馬県で出土したということです。こちらは見上げるほどかなりの大きさの埴輪だからか迫力を感じます。
縄文時代の中期の土器で新潟県で出土した縄文火焔形深鉢です。
こちらも埴輪同様、直接見るのは初めてです。燃えさかる焔のような装飾があるため火焔形の名がつくようです。
1万年以上前の土器を実際にみることができます、立派ですね。模様もくっきりとしています。素焼きながらこれだけの装飾があるとゴージャスに見えますね。
旧石器時代 | 縄文時代 | 弥生時代 | 古墳時代 |
約3万年前 | 約1万2000年前~2500年前 | 紀元前5世紀~ 3世紀半ば | 3世紀半ば~ 7世紀半ば |
縄文~弥生~古墳時代と、時代の違う土器を1枚の写真に収められるのも箱根美術館の魅力ですね。
私が特に気に入ったのが兎の埴輪です。兎のも口元をリアルに再現していて、今にも草を食みそうですね。
さて、思ったよりも美術鑑賞に時間がかかってしまいました。事前にお電話にて再入場できることを確認してありましたので、一度ランチを食べに外出します。
箱根美術館の見所の1つがこちらの本館の2Fにありますので、是非最後までこの記事を読んでいただけると嬉しいです。
お昼は強羅でステーキをいただく
お昼は11:30に予約してありましたので、徒歩で移動します。
やってきたのはこちら!
【ITOH DINING by NOBU】へとやってきました。
世界中で日本食・創作料理レストランを経営する松久信幸氏(通称:nobu)と京都でも鉄板焼きダイニングを経営する伊藤啓輔氏がコラボレーションをしたダイニングとなっています。
【ITOH DINING by NOBU】
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-64
TEL:0460-83-8209
ランチ:11:30~15:00(LO 14:00)
ディナー:17:00~20:00(時短営業の可能性あり)
定休日:なし
わくわくしながら席に案内されます。実は今回オンラインで事前予約をした際に「可能であればカウンター席をお願いする」由と「山葵が苦手」ということを予約時のコメント欄に記載していたのですが、特に声かけはなくテーブル席に案内されました。
withコロナということもあり、入り口にはアルコール消毒用のオートディスペンサーが、カウンターテーブルには透明なパーテーションが設置されるなど配慮がある様子でした。
窓が大きく、昼時の強羅の日差しが強く感じられます。まぶしいくらいですね。
ランチやディナー・アラカルトのメニューは公式Webページにて確認できます。
今回は、A4黒毛和牛ステーキランチ90gのサーロインとフィレを注文。
ランチには、
季節のスープ
箱根西麓野菜のサラダ
自家製パン(PUB STOP) or ご飯(兵庫県産キヌヒカリ)
本日のデザート
コーヒー or 紅茶
が含まれます。
久しぶりの外食に気持ちが高ぶっていたのか、フォアグラのポワレNOBUスタイル照り焼きソースを注文。
さらに、お店の方にアラカルトが注文できるか確認し、オマールエビのグリルを追加でお願いしました。
続いて、ドリンクを注文します。箱根美術館では日差しを避けながら、また水分補給もしていましたがやはり喉が渇きます。
訪問日がレストランなどではアルコールは提供できない日でしたので、ノンアルコールをいただきます。別のカップルのお客様はアルコール提供禁止と知らずに来店されたようでショックを受けられていました。
私はモクテルの柚トニックを、母と祖母はノンアルコールビールとノンアルコールワインを注文しました。
ITOH DINING by NOBUには、GORA BREWERY & GRILLという系列店があり、クラフトビールの醸造所が併設されたレストランなのです。そのため初めていただくノンアルコールビールに期待してしまいます。
柚子の爽やかな香りが美味しいモクテルでした。おうちでも是非再現してみたいです。
期待大のノンアルコールビール、ビールと言えばキンキンに冷えているものと思っていましたが・・・少しぬるい。
サーブ時にしっかり冷えてさえいれば、泡も細かくフワフワ、フルーティーで美味しいビールでした。
ワインもいただきましたがこちらも温い・・・そして甘みが強く少し好みと違ったノンアルコールワインでした。
マグロのたたき、周りにはクラッシュドナッツ、上にはカリカリとしたお醤油のフレークがかかっていました。さっぱりとしていてさらっと食べられました。
一皿目から「美味しい」の言葉が家族から漏れます。
さりげなくサーブされたこちらですが、お味をみると・・・おそらく「冷製コーンスープ」です。
冷たく、コーンの甘さや香りがさりげない、美味しくいただきました。
我が家は甘みが強いドレッシングが苦手なのですが、こちらのサラダドレッシングも美味!野菜不足の身体も喜びます。
サラダを作るテーブルがありそちらで担当の方がたくさんのサラダを作っています。そのため室温に近いサラダでした。
鉄板の上で豪快にグリルされるオマールエビ、良い香りが漂います。
(テーブル席なので、カウンター席横から写真撮影だけお願いしました。)
豪快なオマールエビ、プリプリの身に歯ごたえも良く香ばしいエビの香りに大満足な一品でした。
お塩をつけていただくと、食感に加えてエビの甘さが際立ちます。
こんがりと焼き色がついた大根が香ばしく、と醤油ベースのソースがフォアグラとマッチ。和の素材とフレンチの食材が合わさったNOBUスタイルでいただきます。
口の中で、スープのあふれる大根と蕩けるフォアグラのハーモニーが美味です!
柔らかいフィレ肉、サーロインよりも脂身が少ないためこれだけのボリュームを食べた後でも完食できます。
お塩でいただくとお肉の脂のあまみが引き立ちます。
テーブルに運ばれてきた際にすこし驚きました。ガーリックライスに見えない・・・
ガーリック以外にも、お肉や卵も入っていて一見するとチャーハンかと思ってしまいました。
お肉もしっかり入っているのでかなりボリューミーでしたが、なんとか完食。祖母はさすがに食べきれず。
小食の方は2人でシェアくらいが丁度良いのかもしれません。
食後は、コーヒー紅茶が選べます。
コーヒー好きの我が家、家族全員でコーヒーをいただきます。酸味が少なく苦みの強いコーヒーで少しこってりしていた口の中がさっぱり。
デザートはココナッツブランマンジェとパイナップル。窓越しの夏の日差しを感じながらいただくと常夏のトロピカルな美味しさが口の中に広がります。ミルキーで甘すぎず、家族全員が満場一致で美味しかったです。
コーヒーとともに、完食です!
公園上駅の周辺はかなり勾配が多いエリアでした。箱根美術館からITO Dinningへの道のりも足腰に問題のない方の場合は歩いて5分ですが、車椅子の場合は坂を逆向きで下らないといけないため同行者の体力も必要です。近い距離ですがタクシーの利用も考慮しておきましょう。
ITO DININGにはスロープがありますので、車椅子でも問題なく利用できました。
再度箱根美術館へ
美術品がすべて見たいという母の強い希望もあり、ITOH DINING by NOBUから再び箱根美術館へと戻ります。
登り坂を車椅子に乗った祖母を押していくのはかなり大変ですので、短距離でしたがお店の方に車椅子を乗せられるタクシーをお願いしました。このときの女性の運転手さんが、とてもご親切な方で短距離にもかかわらず、笑顔で祖母の乗り降りのサポートはもちろん、車椅子の折りたたみまでお手伝いいただきました。
距離としては徒歩5分程度ですので、もちろんワンメーター。いつもはクレジット払いがメインですが、こういったときはやはり現金が便利ですね。お支払いの際は、おつりは心付け。
以前一度大阪のUSJでタクシーに乗ろうとした際に、近距離過ぎて乗車拒否されたことがあるため、タクシーの運転手さんとしてはやはり長距離のお客さんの方が良いご商売ができるのかな?と思っていたので、今回のドライバーさんの対応は本当に気持ちが良かったです。 (後々、名刺をいただいておけば良かったな・・・と後悔しています)
できれば、タクシー会社にもお礼の気持ちを伝えたかったのですが、会社名も覚えてらず断念・・・。
箱根美術館では、レシートを見せて再入場。1階の展示物は鑑賞済みのため、2階へと進みます。
箱根美術館には、エスカレーターやエレベーターなどは設置されていません。車椅子の貸し出しはありますが、ご高齢の方を連れて訪問予定の方はご注意を。
キャプションボード(美術品の解説カード)のサイズと比較していただくと、この徳利が非常に大きなサイズであるとおわかりいただけると思います。
こんな徳利でどうやってお酒を注ぐのでしょうか?江戸時代の作品ということですので、お殿様など高位の方の晩酌に使われていたかな?などと想像してしまいます。
菊水のウェブページにわかりやすい説明がありましたので、大きな徳利の歴史を簡単にまとめてみました。
今でも耳にする、酒器:徳利・提(ひさげ)・銚子(ちょうし)などが使われるようになったのは、室町時代になってからのようです。
この時代の徳利はお酒の運搬と貯蔵を兼ねていたようで1~3升入りのものでした。
1升≒1,800mL (1.8L)ですので、3升だと5Lとなります。丁度写真の徳利くらいのサイズですね。
この大きな徳利から、手のある蓋のない片口のような提に分け、さらに酌に使う銚子に小分けしてお酒を飲んでいたようです。
さらに時代が進み江戸の中期になると、お酒を燗して飲む風習が広まりました。そのため、そのまま火にかけて燗ができる燗鍋や湯煎する1~2合入りの燗徳利が定着していったのが歴史のようです。
そして、箱根美術館に立ち寄った方は是非階段で2階に立ち寄っていただきたい理由がこちらです。
この景色、竹林の向こうに宮城野の大文字焼きがはっきりと見えます。緑のコントラスト、青のコントラスト。贅沢な箱根の景色を満喫できます。
ぜひ、箱根美術館を訪れた際には2階まで上がってこちらのソファでくつろぎながら、景色を楽しんでみてはいかがでしょうか?
外が明るい逆光だからこそ、景色をくり抜いたような写真が撮れます。
2階の鑑賞もすべて終わり、お庭を見ながら入り口まで戻ります。
入り口近くにある売店かつ休憩室に戻り、お預けしたキャリーケースを受け取ります。また少し移動するため休憩室奥のお手洗いをお借りしてから出発です。
最後に素晴らしい借景をガラス越しにパシャリ。
お宿をめざし、強羅駅へ
箱根美術館を出入り口からすぐに箱根登山ケーブルカーの「公園上」駅が見えます。
エレベーターやスロープもない駅のため、祖母にはウォーキングスティックを使って駅まで移動してもらいます。
箱根登山ケーブルカーの駅設備やバリアフリー状況の確認方法は、こちらの記事上部「アクセス」に記載してあります。
この傾斜!
ホーム自体にかなりの傾斜があるので、立っているのも大変。
駅の表札からも強羅の急な勾配を感じることができますね。
箱根登山ケーブルカーのまっすぐなレールが美しいですね。一見普通の電車のレールにも見えますが、よく見ていただくとレールとレールの間に太いケーブルが走っているのがおわかりいただけると思います。
しばらく待つと、ワイヤーが動き始めケーブルカーが駅に到着。
車内はあまり広くなく階段もあるため、車椅子は折りたたんだままで乗車します。
強羅までは公園上→公園下→強羅と2駅ですので、祖母には頑張って立っていてもらいました。
強羅駅に到着した後は、他の方の下車を待ってから最後に下車するプランです。
強羅駅にて、皆さんの下車が終わり、強羅駅のホームに立つと車掌さんが声を掛けてくださいました。
お手伝いくださり、車椅子に祖母を乗せ改札まで案内していただきました。
強羅駅に到着です!こちらから宿まで、宿のショーファー(車)が送迎してくださるのでまずは宿に連絡します。
すぐにお迎えに来てくださるということ、このまま強羅駅にて待機します。
次回は、楽しみにしているお宿です。Part2へ続く~