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箱根強羅で人気の旅館「強羅花壇」宿泊記 食事のおいしさに身体も喜ぶ懐石料理~夕食編~

今回は2021年夏頃に訪問した、箱根強羅花壇に宿泊した際の夕食についてです。 強羅花壇では、お食事は泊まったお部屋の専任仲居さんが用意をしてくださる部屋食となっています。 まさに上げ膳据え膳でリラックスできるため、レストランやお食事処での食事や外食とは一線を画した体験です。

家族全員で楽しみにしていた強羅花壇の懐石料理はどんなお料理だったか、ぜひご覧ください。

お楽しみの懐石料理のはじめ

お食事を食べる準備ももちろん、お部屋についてくださった方に準備していただけます。

テーブルナプキンはタッセルでまとめられ、コースターにある12葉菊花紋は強羅花壇のロゴです。

もともとは閑院宮載仁親王が夏の避暑用の別荘にしていた敷地であった現在の強羅花壇、皇室の紋である菊となじみ深い模様を用いていますね。

ちなみに、日本国のパスポートにある菊の模様は「十六弁一重表菊」と呼ばれています

丁寧に折りたたまれたこちらが献立、さっそく広げてみましょう。

文月〈7月〉のメニュー

文月の献立

ー先附(さきづけ)ー
無花果黒胡麻クリーム
玉あられ
車海老ホワイトアスパラ
瓜黄身酢

ー八寸(はっすん)ー
鬼灯に枝豆かき揚げ
生順菜落し芋梅肉
山桃ワイン煮 新丸十蜜煮
穴子棒寿司 花茗荷 厚焼卵
帆立貝レモン風味刻みトマト
葱生姜

ー椀(わん)ー
薄葛仕立て
鱧真丈 蓮芋・柚子・梅肉

ー造里(つくり)ー
季節の三種盛り
あしらい一式

ー焼物(やきもの)ー
鮎炭火焼き
蓼酢
はじかみ
新蓮根甘酢漬け

ー焚合(たきあわせ)ー
冬瓜 鰻 新牛蒡 枝豆 茄子
友あん 新生姜 木の芽

ー進肴(すすめざかな)ー
和牛ひれ葛打ち焼
あわび茸 ズッキーニ ヤングコーン
ホースラディッシュ 生胡椒

ー御飯(ごはん)ー
玉蜀黍ご飯

ー止椀(とめわん)ー
赤味噌仕立て若布

ー香の物(こうのもの)ー
香の物盛り合わせ

ー水菓子(みずがし)ー
白桃ゼリー
生クリーム

お料理の紹介

先附(さきづけ)

先付:懐石の一番はじめに登場するお料理。お酒とともにいただく、酒肴のこと。

1品目は、

無花果黒胡麻クリーム 玉あられ
車海老ホワイトアスパラ 瓜黄身酢

ホワイトアスパラは柔らかく、黄身酢の酸味によっておともの日本酒の味をより一層感じやすくなります。

無花果はジューシーで胡麻クリームの香ばしさが果物の甘さを引き立ててくれます。

食事前に、部屋付きの仲居さんと歓談をしていた際、母が辛口の日本酒が大好きということをお話しました。

お食事が始まると、仲居さんから強羅花壇の日本酒セレクションのなかから辛口の日本酒をプレゼントされました。

母も祖母も喜んでいただいておりました。

八寸(はっすん)

八寸:季節の魚介類・野菜や珍味などが少しずつ盛り付けられる。

2品目は、

新丸十蜜煮
鬼灯に枝豆かき揚げ
帆立貝レモン風味刻みトマト
生順菜落し芋梅肉
穴子棒寿司
花茗荷
山桃ワイン煮
厚焼卵

一口サイズでずが1品1品手の込んだお料理でした。穴子の棒寿司、美味しかったのでもう少し食べたかった(笑)

プレゼンテーションも華やかで色合いが良く、ジュンサイの入っている切り子も素敵ですね。

椀(わん)

椀:旬の魚や野菜・鳥などをつかった汁物。日本食の神髄「だし」が決め手で職人の腕の見せ所ともいわれます。

3品目は、

薄葛仕立て
鱧真丈 蓮芋・柚子・梅肉

透明なだし汁に鱧の脂がうっすらと模様を浮かべています。濁りの一切ない美しい仕上がりです。

蓋を開けると、鰹のかおりがかぐわしく続いてゆずが上品に香ってくるのです。

一口目はお出汁をいただき、次に鱧真丈を、鱧真丈を食べ進めながら今度は梅肉を添えて・・・

味の変化を楽しみながらも、やはり最後にたどりつくのは出汁のうまみです。美味しくいただきました。

鱧の時期は秋と思っていたのですが、どうやら鱧の旬は1年に2回あるようです。

造里(つくり)

造里:新鮮なお刺身の盛り合わせ

4品目は、

季節の三種盛り
あしらい一式

3種の魚介のなかで、まぐろが特に美味しく印象的でした。生臭さはなく、舌の上で蕩けていきました。

お造りが乗っているのは冬瓜のスライスでしょうか?色合いが美しいです。

あしらい:器に盛り付けた料理をより引き立てるために添えられるお花や野菜のこと
ex)薬味やつま・はじかみ、大根おろしやスダチなど

焼物(やきもの)

焼物:旬の魚介類や肉類の焼き物。あしらいが添えられる。

5品目は、

鮎炭火焼き
蓼酢
はじかみ
新蓮根甘酢漬け

7月の鮎は若鮎と呼ばれるようで、柔らかく骨や尻尾まで食べられました。
そのままでもふんわりと柔らかい鮎を楽しめますが、やはり写真右上の「蓼酢」をつけるとまたひと味違う美味しさです。

蓼酢は独特の苦みと酢の酸味があり、食がすすむのであっという間に完食してしまいました。

はじかみ:矢生姜という生姜の一種を甘酢漬けのこと、アントシアニンによる赤色が美しく焼き魚などのあしらいとしてお皿を飾ります。赤みが強い方が堅い茎の部分ですので、白い根の柔らかい部分のみを食べましょう。
口直しの意味も兼ねているので最後にさっぱりといただくのが良いようです。

焚合(たきあわせ)

焚合:野菜を薄味で煮たもの、魚介などが入ることもある。

6品目は、

冬瓜 鰻 新牛蒡 枝豆 茄子
友あん 新生姜 木の芽

上品に良く味が染みこんだ冬瓜、面取りされ煮崩れせず盛り付けられています。

鰻がどこにあるのか、上から撮影した写真では分かりづらいですね。

こちらの写真では、柔らかい新牛蒡に包まれた鰻がはっきり見えます。繊細で美しく、さらに美味しくいただきました。

進肴(すすめざかな)

進肴:一汁三菜とは別に、お酒をすすめるために出される料理

7品目は、

和牛ひれ葛打ち焼
あわび茸 ズッキーニ ヤングコーン
ホースラディッシュ 生胡椒

こちらの一皿は、お食事をいただく前にお部屋付きの仲居さんからおすすめの一品と伺っていた期待のお料理です。

柔らかいヒレ肉が葛粉を纏うことで、和牛がよりなめらかに、よりジューシーに感じられます。

写真左の茸は、アワビ茸といい、肉厚で独特の食感が楽しめました。

御飯・止椀(とめわん)・香の物

止椀:お味噌汁などの汁物のこと、最後のお料理となります。

8品目は、

玉蜀黍ご飯(とうもろこし御飯)
赤味噌仕立て若布
香の物盛り合わせ

まず、綺麗な黄色のとうもろこしに目を惹かれます。さらに、玉蜀黍(とうもろこし)と出汁の香りが食べる前から美味しさを伝えてくれるようでした。

お米の一粒一粒の食感を楽しめ、重ねて玉蜀黍(とうもろこし)の甘さと香ばしさによって食欲が増します。

実は進肴の時点でかなり満腹だったのですが、気づいたら完食していました。

赤味噌のコクが感じられるお味噌汁、そして牛蒡や時期のオクラのお漬物も美味。

インターネットの口コミサイトではご飯が固かったというものもあり、少し心配していましたが私にとっては丁度よい炊き上がりでした。

水菓子

9品目は、

白桃ゼリー
生クリーム

ついに最後の水菓子の登場です。

かなり満腹の状態だったので、生クリームは重たいのでは・・・とドキドキしながら一口いただきます。

爽やかなゼリーと甘さが控えめの生クリーム、舌に残るようなくどさはなく、一口が二口になり二口が三口になり。
桃の香りにほんのりとミルクの香りが甘く香りますが、生クリームは軽く口の中で溶けていきます。

90代の祖母はここで満腹に、食べきれませんでしたが周りの私たちが美味しい美味しいとい言っているので頑張って少し味わっていました。

心配する必要もなく、私は完食。さらに祖母が食べきれなかった分も完食してしまいました。

まとめ

楽しみにしていたお夕食は、期待以上に美味しくいただくことができました。

あくまでどの付く素人の味覚ではありますが、ぜひ皆さんの素敵な旅行の参考にしていただけたらと思います。

美味しさ★★★★☆

旬の食材と和食の技が光り、お料理の一皿一皿におだしのうまみ、和食の美味しさを存分に感じることができました。

久しぶりに、鮎とともに蓼酢が出てきたときはワクワクしました。

ほぼ満腹の状態でいただいた、最後の水菓子も生クリームを使いながらも、爽やかな桃の水菓子も絶品でした。

プレゼンテーション★★★☆☆

細やかな職人技と鮮やかな器が食材をより艶やかに演出していました。

サービス★★★★☆

辛口の日本酒が好きであることをお話したところ、コンプリメンタリー(無料)の日本酒をいただきました。

さりげない会話もしっかり聞いていただけているのだと嬉しく思いました。

家族の中に高齢者がいること、お膝ができないことなどを事前にご連絡しておいたところ、事前にテーブル席を用意していただけました。

施設の雰囲気★★★★☆
お部屋食でいただいたためレストランなどの雰囲気の評価はなし。

お部屋は綺麗な和室でした。和室ながら椅子テーブルを設置していただけたため高齢の祖母も無理なく食の席につくことができました。

また、テーブルも黒色のシックなもので花壇のマークもあり、お願いしてご用意いただいたとは思えないほどお部屋になじんでいて素敵でした。

コスト★★★★★
箱根という場所柄もありお値段はそれなりにかかります。
今回は宿泊費込みの値段になりますが、52,620円/人ほど。

1泊お部屋でゆっくりして、懐石と朝食をお部屋で楽しめての2食つき、温泉にのんびりつかってこのお値段です。

ファミリー向け★★☆☆☆

和食懐石ですので、小さなお子さま連れの場合は予約前にお子様のお食事に関して相談をおすすめします。

アクセス★★★★★

強羅駅から徒歩3分ほどですのでアクセスは良いですね。

駅から近いながらも車でのお迎えがあるので、迷子になる心配や荷物の心配をしなくていいのが嬉しい。

以上が、強羅花壇でいただいた懐石の情報です!

箱根の強羅花壇、ぜひ泊まってみたいけどお料理ってどうなの?と思っていた方など少しでも参考になれば幸いです。

私自身、和食・懐石の知識があまりなかったのでわからない単語は調べ、自分なりにわかりやすいワードに置き換えて注釈も加えてみました。もっと詳しい方、ここはもっとこういった意味合いがあるよなど、コメントがあれば是非お待ちしています。


では、また次回!

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